金融機関が融資を行う際に一番のポイントになるのが経営者に対するヒアリングです。
現在,銀行などの金融機関は金融庁からの通達を受けて「事業性評価融資」という
従来の決算書の内容や保証・担保だけで判断するのではなく、
事業内容や成長可能性等も評価して行う融資を行うようにしています。
「事業性評価融資」は担保や財務内容によらない融資ですから
決算書に書いていない内容が重要になります。
そこで、金融機関は色々な質問を投げかけて、
あなたの会社の事業性について「将来性があり、融資対象としても良いか」の判断をします。
そこで、ここでは融資案件における金融機関からの質問を5項目に分けて解説していきたいと思います。
1.企業概要
まず聞かれるのが企業概要です。
- 事業を始めたきっかけは何ですか?
- なぜ、この場所で創業したのですか?
- これまでに事業の転機などはありましたか?
- 事業を行う中で、もっとも大切にしていることは何ですか?
以上の4つは答えられるように最低限準備しておきましょう
2.業務フロー
業務フローも聞かれますが、新しく創業する場合はこの限りではありませんので
予測とその理由が述べられると良いでしょう。
- ○○社さんからは何を仕入れているのですか
- ○○社さんからの仕入れが多い理由をお聞かせください
- 主要販売先の上位5社はどこですか?
- 今、一番売上が伸びている販売先はどこですか?
- これから売上増加が期待できる販売先はどこですか?
- ○○社さんへの販売の比率が高い理由をお聞かせください
- これから取引を考えている仕入先(販売先)を教えてください
- 仕入れ・販売ルートはどのように開拓していますか?
3.将来性
将来性は選ばれる理由をしっかりと語れるようにしましょう。
- 御社の商品(サービス)が、お客様に選ばれている理由は何ですか?
- 後継者候補に対して、どのような教育をされていますか?
- 生産設備における御社の強みは何ですか?
- 営業面における御社の強みはなんですか?
- 将来的にはどのような展開を考えていますか?
- 御社は業界内で、どのようなポジションにあると考えていますか?
- 競合他社との違いを教えてください
- 今、一番リスクと感じていることは何ですか?
4.財務状況
財務状況は特に物販の場合は仕入と在庫の状況は明確にしておきましょう。
- 一番取引量の多い販売先の売掛機関はどれくらいですか?
- 一番取引量の多い販売先の手形サイトはどれくらいですか?
- 一番取引量の多い仕入先の買掛期間はどれくらいですか?
- 一番取引量の多い仕入先の手形サイトはどれくらいですか?
- 在庫はどれくらいでいれかわっていますか?
- 前払い費用・前受金・仮受金・仮払金の詳細を教えてください
5.経営者の資質
以前のブログにも書きましたように経営理念、ビジョンをしっかりと語りましょう。
- 御社の経営理念についてお聞かせください
- 御社の存在理由は何だと思いますか?
- 今期の目標は何ですか?
- 御社の経営課題はどういうところにあるとお考えですか?
- 中長期的には、会社をどのようにしたいとお考えですか?
- どのような社員教育をおこなっていますか?
しっかりと事業計画書を作成する
このような質問がくることを事前に予測して融資に臨むわけですが、融資を円滑に進めるためには
以前お話させていただきましたように「事業計画書」がしっかりと作成できていることが
重要であり、大前提です。
「事業計画書」がしっかりと作成されていて、それに伴ってPDCAがしっかりと回せていれば
なにも融資だからと言って、特別な事をする必要はありません。
しっかりとした「事業計画書」を作成することが、一番の融資対策になるのです。
もっと金融機関を上手に活用しよう
「事業計画書」をはじめ、多くの資料を積極的に提出して、あなたの会社の事業内容を深く理解してもらえば
事業性評価融資以外にも、金融機関はあなたの会社の状況に沿ったサービスを提供してくれるようになります。
「将来的にこんなことを考えているので、こんなサポートが欲しい」と事業戦略を伝えてみてください。
パイプが構築されたあなたの会社と金融機関であれば、積極的に対応してくれる可能性が高いでしょう。
例えば販路や仕入れルート、大学や他企業との研究したいというニーズに対して
「マッチングフェア」を積極的に行っています。
例をあげると
【滋賀銀行】
「しがぎんSDGsビジネス・マッチングフェア2019」開催
【浜松いわた信用金庫】
ビジネスマッチングフェア in Hamamatsu
静岡県西部地区最大級の「企業展示会」と事前予約制の「個別商談会」を中軸事業に、商談機会創出の一大イベントとして2007年より毎年ビジネスマッチングフェアを開催・運営しています。
地域事業者の皆様へ価値ある「出会いの場」を提供し、新たなビジネスチャンスへの挑戦を支援しています。
などがあります。
また、新商品・サービスの開発には補助金や助成金獲得のサポートを行っている金融機関もあります。
そんなこともあるので金融機関とのパイプ作りは積極的に行ってください。
融資以外にも様々なメリットがありますよ。
まとめ
融資案件における金融機関からの質問を以下の5つに分類して解説してまいりました。
よくある質問は
- 企業概要に関する事
- 業務フローに関する事
- 将来性に関する事
- 財務状況に関する事
- 経営者の資質に関する事
いじょうの5つの質問に分類されます。
この質問にしっかりと答えることができ、融資を成功させるためには
何よりも「事業計画書」がしっかりと作成されていることが重要になります。
金融機関は融資だけではなく、企業の発展に向けた様々なサービスも行っています。
「事業計画書」であなたの会社を認めてもらい
金融機関と良好に付き合うことで得られる恩恵を享受して、あなたの会社を発展させていきましょう。
この文章を読んでいただいてありがとうございました。
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